とりとめないけれど

近見 竹彦

近見 竹彦
(顧問)

おしゃべり社長の多岐にわたる興味ごとをお伝えしていきます。日々の小さな気づきから仕事のダイナミズムまで、とりとめないけれどハッとする、そんなことがお話できればと思います。

デイリークラシックのすすめ

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ある日曜の昼下がり。着古したお気に入りのジャケットを片手に、妻と二人、ふらりと家を出ました。向かったのは「めぐろパーシモンホ-ル」。柿の木坂に佇む、目黒区の芸術文化ホールです。サッカー馬鹿の私がなぜそんなところに行ったかって?心外ですね、私だってクラシック音楽に浸りたい時くらいあるのです。

といっても、格式張ったコンサートは苦手。妙に緊張して肩がこるし、そういうコンサートに限って、高いチケット代と引き換えに睡眠不足を解消しに行くようなものです。

でもこの日のコンサートは違います。ロッシーニの歌劇「ウィリアムテル」序曲、ワーグナー「ジークフリード牧歌」、それに私の大好きなラフマニノフの「交響曲第2番 ホ短調 作品27」の3曲を演奏して、チケット代は1000円。驚きでしょう?

このコンサートの正体、実は目黒区民交響楽団の定期演奏会です。おっと、アマチュアオーケストラだからといって侮らないでくださいね。地元ではレベルが高いことで有名で、パーシモンホールの館長も太鼓判。この日も約1200席ある大ホールを3階まで満席にしていました。もちろん、観客の大半は演者の家族や友人だし、耳の肥えたクラシック通の人には物足りないかもしれませんが、デイリーワインよろしく、デイリークラシックとして聞くには最適なオーケストラなのです。

もともとは友人がこのオケでチェロを弾いている関係から聞きにいったのですが、コンサートが終わるころには、すっかりファンになってしまいました。

デイリークラシックのよさは、ここからです。コンサート終了後、ホールの1階レストランに仲間たちで集まり、互いに持ち寄ったワインを傾けながら音楽談義。そこに、指揮者の清水宏之さんや館長も加わって、友人は間違えずに演奏しただろうかとか、清水さんのMCが面白かったとか他愛のない話から、あの曲の背景は…なんていうウンチクまでが縦横無尽に飛び交います。持ち寄ったワインのレベルが様々なら、会話も様々。でもこのデコボコ感が楽しいのです。デコボコがうまい具合にかみ合って、和音を奏でるように会話が広がります。立場も背景も異なるのに、同じ空間に集い、同じ音楽を聞いたことで高まる、どことない一体感。やわらかな日差しの中で、誰も気取らず、笑い声だけが響く、優雅な休日。一流のオシャレをして一流のコンサートを聞きに行かずとも、ここに一流の時間の過ごし方がある。そんなことを思った昼下がりでした。

デイリークラシック、あなたの日常にも取り入れてみてはいかがでしょうか。