とりとめないけれど

近見 竹彦

近見 竹彦
(顧問)

おしゃべり社長の多岐にわたる興味ごとをお伝えしていきます。日々の小さな気づきから仕事のダイナミズムまで、とりとめないけれどハッとする、そんなことがお話できればと思います。

訪中して思うこと

印刷

SHARE

  • Facebook
  • Twitter
  • Tumblr
  • Linked In
  • Mail

Blog

8月上旬、北京出張にいってきました。中国(特に北京)でのPR領域の現状把握と、当社が2年前に電通およびブルーフォーカスと共同出資して北京に設立したPR会社「電通藍標」の視察および、ブルーフォーカスのオスカー会長との会談が主な目的です。

オスカー会長はまだ40代と若く、実に精力的な方で、今後の事業の見通しや将来性について熱く語ってくれました。熱意あるトップの存在、重要ですね。しかしながら、それ以上に感銘を受けたのは、現場社員の意識や意欲の高さです。電通藍標で働く若い社員たちの目の輝き、その勢いや元気さは目を見張るものがありました。今の中国はテレビとインターネットの普及率が急激に伸びていて、この二つを使ったPR市場もものすごい勢いで発展しています。まさに、PR勃興期。電通藍標の若者たちは、みんながその重要性を理解し、PRという手法をマーケットに根付かせ、少しでもビジネスを拡大させようと、体中からやる気がみなぎっている、そんな印象を受けました。

ひるがえって、日本のPR業界はどうだろうと考えさせられました。今の日本は、PRという言葉が定着した半面、右も左も猫も杓子もPR。様々な手法が研究、導入され、市場は飽和状態。おまけにPRという領域の境界があいまいになり、クリエイティブやデジタル、マーケティングなど、あらゆる施策がPR視点に基づいて構築される、PR戦国時代になりました。従来の“PR”という固定観念のまま仕事をしていたら、“茹でガエル”(※1)になってしまう…。貪欲なまでの学習意欲と熱意を持った、中国の若者たちを見ていて、そんな危機感を覚えたのです。

もちろん、中国と日本のPRでは、置かれている環境も抱えている課題も異なるので、中国のやり方をそのまま学ぶということではありません。ただ、新たな市場を切り拓く、という意識や、仕事をしている場は戦場なのだ、という、あの勃興期の感覚は、思い出すべきだと、ハッとさせられました。この“気づき”こそ、今回の訪中の大きな収穫。自分がいる池がお湯になっていないか、まずは社長の私から点検したいと思います。

※1)環境の変化に対応する事の重要性を指摘するために用いられる警句。2匹のカエルのうち、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに茹であがって死亡する、と言われていることから生まれた言葉。