とりとめないけれど

近見 竹彦

近見 竹彦
(顧問)

おしゃべり社長の多岐にわたる興味ごとをお伝えしていきます。日々の小さな気づきから仕事のダイナミズムまで、とりとめないけれどハッとする、そんなことがお話できればと思います。

15年越しに効く、PRスパイス

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我社では月に1回、「カレー(加齢)の会」という昼食会を開いています。社内コミュニケーションの活性化を目的に、文字通り、その月に誕生日を迎える社員と私たち経営陣が一緒に「カレー」を食べながら、“仕事以外の”近況を語り合うという会です。私にとっては、社員一人ひとりの人となりを知ることができる貴重な機会。社員からもなかなか好評で、毎月とても楽しみにしています。


先月のカレーの会でこんなことがありました。ある社員が、この夏、フランスで「メドックマラソン」に参加したというのです。メドックマラソンとは、赤ワインで有名な仏ボルドー メドック地方で、ぶどうの収穫直前の9月に開催されるフルマラソンのこと。美しいぶどう畑を走ることができる上に、各所に設けられたエイドステーションでは、水以外にシャトー自慢のワインがふるまわれるそうで、ワイン好きにはたまらない大会なのだとか。日本からもわざわざ海を越えて、多くの人が参加しているそうです。

 すると、この話を聞いていた役員の一人、常務の太田が「実はその大会を日本で初めて紹介したのは私なんだよ」と話し出したから、一同ビックリ。しかも、約15年も前に!

聞くところによると、かれこれ15年前、「日本にもっとボルドーワインの魅力を伝えたい」というあるメーカーの依頼に、メドックマラソンに目をつけた若かりし太田が、「秋野暢子さんが案内するフランスの旅」という趣旨の企画をテレビ局にプロモート。その番組の中で、見事、メドックマラソンとボルドーワインの魅力を伝えるオンエアに結びつけたのだとか。

ここまで読んだ方、なんだ、15年も昔の自慢話か、と思いましたね?侮るなかれ。なんと、メドックマラソンに参加した社員が「まさにその番組を15年前に見たんです!!それがきっかけなんです」と言い出したから、さらにビックリ。もちろん、当社に入社する前の話。純粋な一視聴者としてその番組を見て魅了され、いつか走りたいと願い、勉強してワインアドバイザーの資格も取り、今回ようやく、長年の念願かなってメドックマラソンに参加したということです。


私はこれを聞いて、しびれる思いでした。PRの世界とはなんて奥深いのだろうと。PRの仕掛けとは、今日明日の効果を狙って行うだけのものではないのです。まさに未来のファンを育てた、15年越しのPRの成果を目の当たりにした瞬間でした。一人の人の趣味を深めた、太田のテレビ番組。人生に影響を与えたとまでは言いすぎかもしれませんが、その人生に多少なりともスパイスを効かせたと言えるのではないでしょうか。これってとても大きなことですよね。こういうことに、私たちが日々関わっているということをもっと自覚しなければいけないと、スパイシーなカレーを食べながら、身が引き締まる思いでした。ちなみにカレーはSITAARAというレストランからのデリバリー。こっちのスパイスは即効性です…(辛)。

(写真は、メドックマラソンの様子)