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太田 浩嗣

太田 浩嗣
(取締役常務執行役員)

日々新しいソリューションが生まれるマーケティングPRのダイナミズムを共有できればと思います。日々生涯最高のソリューションを!共に悩み、新しい価値創造にお付き合いください。

裸足で走れる芝生計画

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 現代の子どもたちの体格の発達は、目を見張るものがありますが、こと運動能力という面では、むしろ後退しているとのデータを目にします。言われなくても、日がな原っぱを駆け回っていた子どもと、部屋でゲームに興じる子どもたちが同じ体力のはずがありません。たしかに、男子の身長はどんどん高くなっていますが、どこかひょろっとしたタイプが増えたような気がします。細マッチョならいざ知らず、ただ細いだけの草食系男子に日本の将来を任せるのは少々不安に感じているのは、私だけでしょうか。

 運動能力の低下の要因として、足の指が大地を掴む力の衰えをあげる意見があります。
立ち上がった時のバランスを見ると、後ろに重心がかかり、指が少し浮いたぐらいになる子どもが増えていると聞きます。つまり足指で、地面を掴んでいないのです。かつて、裸足で駆け回ったり、鼻緒のある草履やサンダルを着用していた頃は、おのずと地面を足指が捕まえる運動になっていたわけです。この衰えによって、走るスピードや跳躍する力が、少しづつ後退しているようです。
 足指の大地を掴む力を発達させるために、裸足で駆け回ることが見直されています。そこで注目されているのが芝生です。芝生の上を裸足で歩く時の心地よさは、ある種の解放感とあいまって、癒し効果も感じます。一部の自治体では、学校の芝生化を推進しているところもあり、それを推進するNPOもかなり多く活動をしています。しかしながら、裸足で自由に駆け回る芝生は、日本にはまだまだ多くはありません。皆様も記憶にあると思いますが、芝生をとても大事にするあまり、「芝生入るべからず」の立て札が立てられていることも珍しくないですね。私の地元の競技場は、雨が降ったら芝生立ち入り禁止になります。理由はただ一つ、芝生が傷むからです。子どもたちに、もっと自由に駆け回ることが出来る芝生を提供することが出来ないか、との思いからわれわれが始めた活動が“芝生ライツTM~裸足で走れる芝生計画~の推進です。

 次世代の育成を目的とした企業の社会貢献、CSR活動の一環として、芝生ライツTMというスキームは発案されました。例えば、芝生の美しい自治体の競技場があるとします。サッカーやラグビー、陸上競技などスポーツに使われる以外は、一般への開放をしているところはほとんどありません。それは、一般の方が入ることで芝生の傷みが進み、場合によっては芝生に良くない雑菌が持ち込まれることの弊害からが多くの維持費が増加してしまう懸念からです。そこで、企業がその芝生の維持管理費用を負担するかわりに、年間の一定日数を子どもたちに開放する権利を取得するという考え方“芝生ライツTM”が生まれました。つまり、企業が芝生の一定利用の権利を維持費負担という形で買うわけです。
 これは、企業ばかりが対象ではありません、市民が“一坪芝生ライツTM”という名のもとに少しづつ維持費を負担し、地元の子どもたちに解放するやり方も考えられます。芝生の上を次代を担う子どもたちが駆け回ることで、大地を掴む力を鍛え、身体能力向上に寄与するばかりか、緑化推進による環境効果も期待できるはずです。
加えて、裸足で芝生を走ることの運動効果を大学との共同研究で進めるほか、芝生の上で裸足で楽しめるオリジナルスポーツ、小さな子どもでも楽しめるオリジナルプレイの開発、ひいてはイベント化による“芝生効果啓発活動”に結び付けられればと考えています。
 東日本大震災では、多くの芝生で覆われた公園や競技場が被災し甚大な被害を被っていることと思います。今後の復興の中で、当然新しい街づくり、都市計画が不可欠になります。その時に、裸足で走れる芝生計画が、次代を担う子どもたちのための参考スキームになれば、もっと大きな活動に発展するかもしれません。