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太田 浩嗣

太田 浩嗣
(取締役常務執行役員)

日々新しいソリューションが生まれるマーケティングPRのダイナミズムを共有できればと思います。日々生涯最高のソリューションを!共に悩み、新しい価値創造にお付き合いください。

子供の“気持ち”を育む大人のマナー

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先日、バスの中で、初老のご婦人に席を譲ったところ、「結構でございます」ときっぱりと断られました。加えて、まだ席を譲られる歳ではないとの思いからか「失礼ね…」という言葉を浴びせられてしまいました。年齢とは関係なく好意から席をお譲りしたのですが、まるでこちらが悪人かのような雰囲気になってしまいました。席を譲るのも難しいですね。


かつて、同じ光景を電車の中で見たことがあります。小学生の男の子が本を読みながら席に座っていた目の前に、ちょうど60代後半とおぼしきの男性が吊革につかまりました。前述の感覚で言うと、微妙な年齢かもしれませんが、小学生の彼には間違いなくおじいさんに映っているはずです。ちらちらと男性の顔を伺い、席でもじもじ。明らかに席を譲ろうとしているのですが、立ち上がって声をかける勇気が出て来ないようです。しかし、意を決したように立ち上がった男の子は、小さい声ながら「どうぞ」と席を譲りました。心の中で「いいぞ。えらいぞ」と声をかけていました。すると、あろうことか、席を譲られた男性は、「私はまだ、席を譲ってもらうような歳ではない」と捨て台詞よろしく、車両を移動していったのです。顔を真っ赤にさせて佇む男の子の心はどれだけ傷ついた事でしょうか。一度立ち上がった席に着くこと無く、ドアのところに立ちすくんでいました。

 この子は、当分の間、いや今後ずっと席を譲ることができなくなってしまうかもしれないと心配になるとともに、立ち去った男性への怒りがふつふつと沸いてきました。私のようにそれなりの年齢を積み上げていれば、そんな事も気に留めず忘れ去りますが、この小学生はそうはいきません。ある種のトラウマになってしまうこともあるのです。純真な子どもの優しさを踏みにじる行為は今も思いだすだけで不快になります。大人のマナーとして振る舞うべき行動はどうだったのでしょうか。もちろん「ありがとう!」と心の底から感謝をして席を譲ってもらうことではないでしょうか。小さい子なら「優しいね。えらいね」なんて言葉も掛けてほしいですね。席を譲られることで同じような気持ちになる方もいるかもしれませんが、その時に「私はまだ…」ではなく「私もそういう歳になったのか…」と思っていただき、特にその相手が小さな子供や、思春期の若者であれば、是非「ありがとう!」と素直に席に着くのが、子供の気持ちを育む“大人のマナー”ではないでしょうか。


 私が、席を譲られるようになるのも、もう間もなくかもしれませんね。「ありがとう!」