今ここにある危機、「個人情報の流出」問題

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平成17年に個人情報保護法が全面施行されて10年目になる。

その前は名簿があふれていた。どこの会社にも社員名簿があった。町内会には町会名簿があり、学校には生徒と職員の名簿、卒業生名簿があった。もちろん住所や電話番号付きだ。小学校の児童名簿には、父母の名前まで書いてあった。そして、大企業や有名な学校の名簿は価値のあるものとされ、新商売として「名簿図書館」(たしか新橋にあったと記憶するが)なるサービスまで登場して話題になったものである。

ところが、個人情報保護法の施行はその状況を一変させた。企業も公共機関も個人情報の取り扱いを厳格化させることが求められ、世の中の人々の個人情報についての意識も大いに高まった。高まりついでに、不自然な政務活動費を糾弾された某県議がその公のための支出の中身を「個人情報だから」と公表を拒むくらいになった。

一方で、各所に膨大な個人情報が蓄積されてきた。ただ公開はされない。公開してはいけない。だから、たとえば小さな子どもの名簿は、成長過程でかかわるあらゆるモノやサービスを提供する事業者にとって、単なる顧客リストというだけでなく、将来的にモノとサービスの消費履歴や生活行動履歴が加わって「宝の山」のデータとなる。お金を出して手に入るならすぐにも欲しい第三者が出てくる。そこで時に事件が起きる。

個人情報流出の多くは紛失などの過失から起きる「事故」であることが多い。しかし、厄介なのは「事件」だ。内部ないしは外部の「犯行」によって引き起こされ、大量の情報が流出してしまう。事故はいわば「自責」であるが、事件は情報の保有者(企業など)にとっては「他責」事案であり、企業は被害者でもある。しかし、顧客情報を大量に流出させてしまったとなるとそんな立場は認められない。問われるのは「管理責任」である。

今や企業や公共機関はさまざまな個人情報を有している。すべての保有者にとって、個人情報の流出は今すぐに起きるかもしれない事案だ。昨今の個人情報流出事故・事件で保有者の管理責任が問われている。あらためて情報管理体制を見直すべきだろう。

                                                           ◇

●電通PRのクライシス・コミュニケーション(危機管理広報)プログラム
-長年の経験・実績に基づく確かなコンサルティング