タコ足八本

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私が主席研究員を務める企業広報戦略研究所では、この度『戦略思考の広報マネジメント~業績向上につながる“8つの広報力”の磨き方~』なる書籍 を全国主要書店で発売いたしました。8つの広報力とは、「情報収集力」「情報分析力」「戦略構築力」「情報創造力」「情報発信力」「関係構築力」「危機管理力」「広報組織力」。この8つの軸によって企業の広報力を分析するのが「広報オクトパスモデル」です。最初この名前を考えたとき、他の研究員からは「タコですか?」と揶揄されましたが、慣れるとそれらしく聞こえてくるものです。

 今回私たちが提言したオクトパスモデルは、広報活動のPDCAに他なりません。多くの企業の広報担当の方々が、これまでも意識する、しないに関わらず実務的に行なってきた活動ステップであると言えます。しかし一旦このような体系化を行なうことによって、広報活動の戦略性は格段に精緻化されてゆきます。ステークホルダーごとに、戦略目標ごとに、事業ドメインごとに、そして、商品サービスごとに、キャンペーンごとに、この8つのステップを指標として、自らの広報活動が戦略的に進められているのか確認することができるのです。これこそが広報をマネジメントすることに他なりません。

 これまでほとんどの広報活動は広報担当者の経験則に基づき、暗黙知の中で遂行されてきました。社内の他部所にとっても情報開示の作法からメディアとの付き合いまで、広報部門はブラックボックスと感じられたでしょう。それ故に広報は結果勝負。良い記事が出れば適切な広報活動が行なわれた、記事が出なかったり悪い記事が出れば広報が失敗したと判断され、社内の評価が下されてきました。情報の収集分析、戦略構築と創造、情報発信と関係構築、危機管理と組織整備。これらのステップが明確になり、それぞれのステイタスが社内で共有され、経営陣に理解されることにより、広報は結果勝負の暗黙知から抜け出し、経営戦略・事業戦略の一翼を担う重要な経営機能と位置付けられるのです。

タコ たて そして広報活動はこの8つのステップを持続的に繰り返します。ステークホルダーとの関係性は長期的なものであり、一時的なものではありえません。企業経営も持続的な成長を目指して、日々執行されます。広報活動もこの経営活動と歩みを一にして、営々と繰り返されるのです。その目的は、ステークホルダーとの関係構築、経営環境の整備、業績の向上、そして長期的・持続的成長です。私たちが「広報は経営である」と考える理由は、まさにここにあるのです。

写真は娘が学校の展覧会に出品した「タコ」です。夏の学校行事で行った館山の海をテーマにした展示コーナーには、魚やタコや海の生物がたくさん並んでいました。地引網や貝拾いをした思い出がいっぱいの作品です。口が尖ってないで笑っていますが、慣れるとそれらしく見えてくるものです。