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戦略構築コミュニケーションレポート: Vol.2 レピュテーションアナリシスのすすめ

コーポレートコミュニケーション戦略部 /企業広報戦略研究所 主任研究員 中 憲仁

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そもそも企業・団体が自身のレピュテーションを上げていかないといけないのはなぜでしょうか? その答えの一つはIR(投資家向け広報活動)にあるといえます。

その根拠となるのが、財務指標の代表的指標であるPBR(株価純資産倍率)です。

PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株あたり株主資本(BPS)

この指標は株価の割安性を測る指標で、企業が保有する株主資本(純資産)から見た株価の割安度がわかり、1以下のものは割安、1以上が市場関係者の期待度の高さを表します。

日本の株式市場において国内株は1以下の『割安株』が多い傾向があり、堅実であるものの、急速な成長は望めないとされています。

「市場関係者の期待度」に該当する部分は、企業活動のレピュテーションが正当に評価を得ることで形成されるものです。当社研究組織の「企業広報戦略研究所」による企業広報力に関する調査※で「重視するステークホルダーは?」の問いに対し、下記のような結果が出ました。

図1

企業のレピュテーションは、収益を確保する上で「顧客」が第一義的に最重要ステークホルダーになります。そして、それに次いで重要なのは「株主・投資家」であるのは言うまでもありません。

この株主の期待を高める重要な役割を果たすのが、魅力的な企業活動であり、その活動を伝える情報発信を「企業広報」が担っています。よって、企業活動を魅力的に伝えるコンテンツの集約と理念を含めたメッセージの発信だといえます。

現場からの要望に従い、五月雨式に情報発信したとしても、思うようなレピュテーションは得られません。世の中の動向、トレンド傾向、社会的傾向と自社情報との適合性をよく吟味しながら、「自社のありたき姿」を突き合わせて自社分析し、戦略的に情報発信していくことが広報担当者には求められています。広報戦略を軸にしたコンテンツ開発、情報発信をしなくてはレピュテーションに結びつかない、極めて非効率な広報活動になってしまいます。

下記の表は、「今後力を入れていきたい広報活動」※を上場企業の広報担当者に聞き(複数回答可)上位10位を並べたものです。

TOP5に「戦略構築力」が3つもランクインしており、「広報戦略」に対する上場企業の取り組みはまだまだ低いスコアにとどまりましたが、今後改善していきたい意向が強く出ています。

広報戦略を経営戦略とリンクさせながら企業活動を実践し「市場関係者の期待度」を高め、より大きなレピュテーションを構築するマネジメントが上場企業には求められているといえます。

図2

※第2回企業広報力調査結果に基づく。調査対象:東証一部・二部、東証マザーズ、ジャスダック、札証、名証、福証に株式上場している企業(3,664社)。広告・PR業他社は除く。調査実施期間:2016年2月24日~2016年4月8日 調査手法:郵送・訪問留置調査 調査主体:企業広報戦略研究所(電通パブリックリレーションズ内) 有効回答サンプル:533社。