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電通PRと東大橋元研、関西大小笠原研が衆院選の共同調査実施

若年層は政党・候補者が発信したネット上の選挙情報を重視

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株式会社電通パブリックリレーションズ
東京大学大学院情報学環 橋元研究室
関西大学社会学部 小笠原研究室

株式会社電通パブリックリレーションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:畔柳 一典、以下電通PR)と東京大学大学院情報学環橋元研究室、関西大学社会学部小笠原研究室は、10月22日に投開票が行われた衆議院選挙において、有権者のメディア接触等に関する共同調査を実施しました。

 

1. 選挙に関する情報源は、テレビが依然として重要

調査の結果、選挙に関する情報源としてテレビに接触した人は、全体では86.7%でしたが、年齢層別に見て60代(92.6%)が最も高く、10・20代1(82.9%)が最も低い結果となりました。新聞の接触率も全体では50.1%でしたが、60代(71.3%)と50代(57.8%)が高く、30代(35.3%)と10・20代(37.1%)が低い結果となり、テレビ・新聞は若い年代で接触率が低い結果となりました。

「政党・候補者が発信したネット上の選挙情報」のいずれかに接触した人の比率は全体が31.4%で、10・20代(39.0%)が最多でした。「友人・知人のソーシャルメディア」上で、選挙情報に接触した人は全体が17.6%で、同じく10・20代が最多(32.3%)でした。

ただし10・20代の中で、選挙時に接触した情報源を比較した割合を見ると、テレビへの接触は82.9%で、絶対的な割合としてはテレビへの接触が最も高くなっています。

2.1020代は、政党・候補者が発信したネット上の選挙情報を重視

「政党・候補者が発信したネット上の選挙情報」の10・20代による接触率の内訳は、ウェブサイト(ブログを含む)(23.9%)、ソーシャルメディア(25.2%)、メール・メールマガジン(12.3%)、ネット広告(24.2%)、ネット動画(19.0%)です。いずれも10・20代が年齢層別に見て1位でした。

また、「政党・候補者が発信したネット上の選挙情報」への接触者のうち、10・20代において信頼した人の割合は、ウェブサイト(ブログを含む)(59.5%)、ネット広告(52.0%)、ネット動画(62.7%)となり、これらの情報源では年齢層別に見て10・20代が最も高い結果となりました。同様に、役立ったと評価した接触者の割合も、10・20代においてネット広告(45.3%)、ネット動画(47.5%)となり、この2つの情報源で年齢層別に見て10・20代が最も高い結果となりました。

3.若い世代の政治関心は低く、現状肯定感が高い

有権者の意識に関しては、「政治に関心がある」と答えた人が30代(46.1%)で最も低く、10・20代(48.4%)がそれに続きました。

また、政治的有効性感覚に関する設問では、「我々が少々騒いだところで政治はよくなるものではない」で30代(67.8%)、10・20代(65.2%)の回答率が高く、「政治がかわったところで日本の方向性が変わるわけではない」でも30代(40.3%)、10・20代(34.2%)が高い結果となりました。

一方、「経済格差が広がっていると感じる」との回答は10・20代が最低(58.4%)で、「現在の生活に満足している」と答えた人は10・20代(35.5%)が最高となり、若者による現状肯定感の強さが示されました。

本調査では、選挙に関する情報源としてテレビが大きな役割を果たしているものの、他年代に比べて10・20代で接触率が低いことが示されています。一方、「友人・知人のソーシャルメディア」や、「政党・候補者が発信したインターネット上の選挙情報」では、10・20代を中心とした若い年齢層による接触率が他年代と比較して高い結果となりました。さらに、若い年齢層では、政治関心と政治的有効性感覚は低く、現状肯定感が高いことが示されています。

※1  10・20代:本調査では、有権者として調査対象とした18歳以上29歳以下を示している。

東京大学大学院情報学環 教授 橋元良明による調査結果へのコメント

若年層がネット情報に高頻度に接し、それを重要視していることは予想通りだが、若年層の政治関心の低さが顕著に数字として表れている。政治的無関心は、公正・中立の立場から多様な意見が紹介される場でもあるテレビの視聴時間が減少し、ネットの利用時間が増加したことと無関係ではない。若年層はネットの大半を、身の回りの出来事のやりとりが中心のコミュニケーション系に費やしており、公的な争点や政治問題に関して議論をすることがほとんどない。政治への関心が低下すると同時に、現状肯定意識が蔓延し、政治に対する批判的意見が少なくなっている。そのことがはっきり表れた結果だと考える。

調査概要

・調査主体:株式会社電通パブリックリレーションズ、東京大学大学院情報学環 橋元研究室、関西大学社会学部 小笠原研究室
・調査手法:インターネット調査 (マクロミルに実査委託)
・調査対象:男女、18歳~69歳
サンプル構成:10代(18歳19歳):52、20代:258[本調査では10・20代と一括(小計310)]、以下30代、40代、50代、60代各年齢層258、合計1,342人。
・対象地域 : 全国
・調査実施時期: 2017年10月22日(日)(投票終了後の20時以降)から10月24日(火)

 

調査結果概要

1.選挙情報に接触したメディア ※選挙に関する情報を見たり聞いたりした回答の合計 

  • 選挙に関する情報源としてテレビに接触した人は、全体では86.7%。年齢層別では60代の割合(92.6%)が最も高く、10・20代の割合(82.9%)が最も低い。
  • 新聞の接触率は全体で50.1%。年齢層別では60代(71.3%)と50代(57.8%)が高く、30代(35.3%)と10・20代(37.1%)の割合が低い。
  • ポータルサイト・ニュースサイトへの接触は全体で57.5%。年齢層別では30代が最多(60.1%)。60代(54.3%)が最も少ない。
  • 「友人・知人のソーシャルメディア」への接触は全体で17.6%。年齢層別では10・20代が最多(32.3%)。60代(8.1%)が最も少なく、50代(10.5%)が続く。
  • 「政党・候補者が発信したネット上の選挙情報」2のいずれかに接触した人は全体で31.4%。年齢層別では10・20代が最多(39.0%)で、50代(24.0%)が最少。その内訳でも、10・20代は、政党・候補者のウェブサイト(ブログを含む)(23.9%)、政党・候補者のソーシャルメディア(25.2%)、政党・候補者のメール・メールマガジン(12.3%)、政党・候補者のネット広告(24.2%)、政党・候補者のネット動画(19.0%)と、これら全てへの接触の割合が他年代よりも多い。

つまり、10・20代は、政党・候補者がネット上で発信した情報に、他年代より多く接触していた。

※2「政党・候補者が発信したネット上の選挙情報」:「政党・候補者のウェブサイト(ブログを含む)」「政党・候補者のソーシャルメディア」「政党・候補者のメール・メールマガジン」「政党・候補者のネット広告」「政党・候補者のネット動画」を指す。

注:+は残差分析の結果、他の年代よりも5%水準で有意に高く、-は5%水準で有意に低かったことを示す(以下も同じ)。

 

 

2.信頼できたメディアの評価(接触者のみの回答を分析)※「信頼できた」「やや信頼できた」の合計

  • 選挙に関する情報についてテレビで接触した人のうち、信頼した人は66.2%。年齢層別では60代の割合(71.1%)が最も高く、50代(68.9%)が続く結果に。30代と40代の割合(いずれも61.8%)が最も低い。
  • 新聞を信頼した人は接触者全体では74.7%。年齢層別では60代(80.4%)で最も多く、30代(64.8%)で最も少ない。
  • ポータルサイト・ニュースサイトを信頼した人は接触者全体では56.0%。年齢層別では30代(64.5%)が最も多く、50代(45.6%)で最も少ない。
  • 「友人・知人のソーシャルメディア」を信頼した人は、接触者全体では42.8%。年齢層別では30代(52.9%)が最多で、50代(25.9%)は最少。
  • 「政党・候補者が発信したネット上の選挙情報」への接触者の中で、信頼した人の割合を、個別の項目について年代ごとに分析した結果、10・20代が最も高かったのは、政党・候補者のウェブサイト(ブログを含む)(59.5%)、政党・候補者のネット広告(52.0%)、政党・候補者のネット動画(62.7%)。

つまり、「政党・候補者が発信したネット上の選挙情報」に関して、概して1020代の信頼度が他年代より高いが、その中で政党・候補者のウェブサイト(ブログを含む)、ネット動画、ネット広告については年齢層別に見て最高であった。

 

 

3.役に立ったメディアの評価(接触者のみの回答を分析)※「役に立った」「やや役に立った」の合計

  • テレビが役に立ったと評価した人の割合は、接触者全体では64.4%。年齢層別では60代(67.8%)で割合が最も高く、10・20代(66.1%)が続く。テレビに対する有用性の評価は、若年層でもかなり高いことが示された。
  • 新聞が役に立ったと評価した人の割合は、接触者全体では69.8%。年齢層別では60代(78.8%)の割合が最も高く、40代(74.6%)がそれに続く。
  • ポータルサイト・ニュースサイトが役に立ったと評価した人の割合は、接触者全体では51.0%。年齢層別では30代(60.6%)の割合が最も高く、10・20代(59.0%)が続く。50代(36.2%)が最も少ない。
  • 「友人・知人のソーシャルメディア」が役に立ったと評価した人の割合は、接触者全体では35.2%。年齢層別では30代(47.1%)の割合が最も高い。
  • 「政党・候補者が発信したネット上の選挙情報」について、役に立ったと評価した人の割合を個別項目ごとに年齢層別に分析した結果、10・20代が最も高かったのは政党・候補者のネット広告(45.3%)、政党・候補者のネット動画(47.5%)。30代は、政党・候補者のウェブサイト(ブログを含む)(60.0%)、政党・候補者のソーシャルメディア(54.2%)、政党・候補者のメール・メールマガジン(63.2%)で最も高かった。信頼度、有用性評価(「役に立った」)のいずれにおいても、10・20代で政党・候補者の動画が、他の年齢層より肯定的評価が高かったことは注目すべきである。

 

 

4.政治関心 ※「そう思う」「ややそう思う」の合計

  • 政治関心に関する設問で、「政治に関心がある」と回答した割合は、全体では54.1%。年齢層別では60代(71.7%)の回答率が最も高かった。一方、最も低かったのは30代(46.1%)で、10・20代(48.4%)がそれに続く結果となった。

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5.政治的有効性感覚、現状肯定感 ※「そう思う」「ややそう思う」の合計

  • 政治的有効性感覚に関する設問に関して、「我々が少々騒いだところで政治はよくなるものではない」と回答した割合は、全体では57.9%。年齢層別では30代(67.8%)が最も高く、ついで10・20代(65.2%)。一方、60代(41.5%)は最も低く、50代(51.2%)がそれに続く結果となった。
  • 同じく政治的有効性感覚について、「政治が変わったところで日本の方向性が変わるわけではない」との回答率は全体で30.3%。年齢層別では30代(40.3%)が最も高く、10・20代(34.2%)がそれに続く結果になった。一方、60代(17.4%)、50代(26.0%)の回答率は低かった。
  • 「経済格差が広がっていると感じる」との回答率は、全体では72.7%。年齢層別では60代(80.2%)が最多で、50代(79.8%)がそれに続いた。一方、10・20代は最低(58.4%)だった。「現在の生活に満足している」との回答は、全体では27.7%。年齢層別では10・20代が最高(35.5%)で、40代(21.3%)が最低。10・20代や30代は現状肯定の割合が高い結果となった。

つまり若年層は、概して政治的有効性感覚が低く、現状肯定感が強い傾向が示された。

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本調査の趣旨

近年、オンラインメディアやソーシャルメディアの急速な普及に伴い、テレビ・新聞・雑誌・ラジオなど、従来型のマスメディアを起点とする情報波及構造が、大幅に変容しつつあります。

この状況を踏まえ、電通PRでは、日本人の情報行動の研究に取り組んできた東京大学大学院情報学環の橋元研究室と、メディアの変化が情報伝達構造と生活者に与える影響について共同研究を実施してきました。本調査はその共同研究の一環として、衆議院選挙期間中のメディア接触が有権者に及ぼす影響を明らかにするために、実施したものです。

本共同調査では、広報戦略等について調査・分析・研究を行っている電通PR内の研究組織「企業広報戦略研究所」と、日本人の情報行動に関して多くの研究の蓄積を持つ東京大学大学院の橋元研究室、関西大学の小笠原研究室の専門性を生かし、選挙期間中のメディア接触の影響に関する分析に取り組んでいます。

 

株式会社電通パブリックリレーションズについて

電通PRは1961年の創立以来、国内外の企業・政府・自治体・団体の戦略パートナーとして、レピュテーションマネジメントをサポートしています。総勢約270 人の社員が、データ分析、そしてそこから得られたインサイトに基づくコンテンツ開発と最適な情報流通デザインを通して、クライアントの「社会との対話力」強化に取り組んでいます。2009年および2015年には、日本国内で最も優れたPR会社に贈られる「ジャパン・コンサルタンシー・オブ・ザ・イヤー」(The Holmes Report主催)を受賞しました。

企業広報戦略研究所(C.S.I.)について

企業広報戦略研究所(Corporate Communication Strategic Studies Institute : 略称C.S.I.)は、企業経営や広報の専門家(大学教授・研究者など)と連携して、企業の広報戦略・体制等について調査・分析・研究を行う株式会社 電通パブリックリレーションズ内の研究組織です。コミュニケーション領域に関する調査研究・モデル化を推進する活動により、これまでにPRSJ(日本PR協会)「PRアワード グランプリ」、IPRA(国際PR協会)「ゴールデン・ワールド・アワード」、日本広報学会賞「教育・実践貢献賞」など多数受賞しています。

研究所HP:http://www.dentsu-pr.co.jp/csi/

東京大学大学院情報学環 教授 橋元良明について

1955年京都市生まれ。1978年東京大学文学部心理学科、1982年同大学大学院社会学研究科修士課程修了。コミュニケーション論、社会心理学専攻。一貫して、日本のコミュニケーション状況、メディア環境の変化を実証的に探求している。

主な著書に『メディアと日本人―変わりゆく日常』(岩波新書)[単著]、『日本人の情報行動2015』(東京大学出版会)、『日本人の情報行動2010』(東京大学出版会)、『メディアコミュニケーション論Ⅰ』(北樹出版)、『メディアコミュニケーション論Ⅱ』(北樹出版)、『メディア・コミュニケーション学』(大修館書店)、『講座社会言語科学 メディア』(ひつじ書房)、『ネットワーク社会』(ミネルヴァ書房)[以上、編著]、『ネオデジタルネイティブの誕生』(ダイヤモンド社)[共著]等。

関西大学社会学部 准教授 小笠原盛浩について

関西大学社会学部准教授。東京大学大学院学際情報学府博士課程満期退学。専門分野はインターネット・コミュニケーション論。主要論文「日本のブロゴスフィアにおける政治系有名ブログの影響」ほか。著書に『ポスト・モバイル社会』(共著 世界思想社)、『ネットメディアと<コミュニティ>形成』(共著 東京電機大学出版局)等。

 


<お願い>

本調査内容を転載・引用する場合、転載者・引用者の責任で行うとともに、株式会社電通パブリックリレーションズ、東京大学大学院情報学環 橋元研究室、関西大学社会学部 小笠原研究室の調査結果である旨を明示してください。


本リリースに関する問い合わせ先
株式会社電通パブリックリレーションズ 人事総務部 Tel:03-6263-9000
〒105-7135 東京都港区東新橋1丁目5番2号  汐留シティセンター 35階

 本共同調査に関する問い合わせ先
企業広報戦略研究所(株式会社電通パブリックリレーションズ内)
担当:長濱 Tel:070-6941-4938

東京大学大学院情報学環 橋元研究室
Tel/Fax:03-5841-5937
〒113-0033  東京都文京区本郷7丁目3番1号

関西大学社会学部 小笠原研究室
Tel:06-6368-1121(関西大学代表) 内線5576
〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号

 

 

 

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