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中国 Report 07 上海万博:開幕まであと1年

2009/06/03

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第41回国際博覧会が、来る2010年5月1日~10月31日に上海で開催される。この2010年上海万博は、中国政府が2008年北京五輪に続いて再びホスト役を務める、世界的な大祭典である。

写真:上海中心部にあるマスコット海宝

万博開催1年前となるカウントダウンが始まり、上海の各準備作業も追い込みの段階に入っている。2009年4月15日の公式発表によれば、既に234の国および国際組織が万博参加を確定しており、目標入場者数のべ7000万人、ピーク時会場来場者数は40万人を超えるという。この巨大なニーズと課題に対応すべく、「より良い都市、より良い生活」という万博テーマのもと、都市インフラの整備、公共施設の建設、都市の持続可能な開発、文化事業への人的・物的投資を行っている。またその一方で、過去の万博の経験から学び、万博を成功させるための詳細なプランを立てているという。

万博会場建設および周辺インフラ整備に関しては、7000万人規模の来場者に対応すべく、会場整備に300億元の直接投資をするほか、主に鉄道の敷設、空港の拡張・改造、道路の整備、生態系保護等を目的とした2700億元規模の間接投資も行われている。また、パビリオンの建設も着々と進んでおり、五大永久的建築物と称される万博軸プロムナード、中国館、テーマ館、万博センター、演芸センターは、いずれも鉄筋構造の骨組みが完成している。また、英国館や日本館など主要パビリオンの建設も着工している。地下鉄を含む公共インフラの建設も順調で、中でも「万博線」と呼ばれる7号線の敷設工事は完成間近だ。万博開催までにあと9路線の新規開通を予定しているという。また、今回の万博で特に注目すべきは、バーコード式入場チケットの導入や「CO2排出ゼロ」を実現する完全エレクトロニック・ハイブリッドバス、ソーラー発電設備の採用など、新技術・新エネルギーの開発と運用だ。これら未来を意識した技術改革の成果は、万博終了後も継続して上海の都市建設に利用されるという。

万博のPR・宣伝に関して、万博の市場開発作業は比較的順調に展開されているといえる。上海は万博招致以来、海外PRで卓越した成果を上げており、オリンピック終了後、「成功の五輪、精彩な万博」と銘打った一連のPR活動を展開し、現在までに当初目標の40億元(6億ドル弱)を大幅に上回る10億ドル強のスポンサー協賛金を集めた。世界を巻き込んだ金融危機でPR・宣伝に困難が生じ、一部に万博参加に消極的になる国や国際組織が見られたが、中国政府はこうした局面を克服すべく、例えば、1億ドルの支援を約束して発展途上国に参加を呼びかけるなど、積極的な対応を行ってきた。

また、万博の普及推進において、今回は「より良い都市、より良い生活」をテーマとしているが、これを文化面の普及で見るならば、「人への思いやり、人に優しい環境、そしてヒューマニズムの提唱」と解釈できるだろう。上海市民が、より気分を高めて万博の開催を迎えられるよう、万博開催1000日前のカウントダウンから一連の文化事業を実施してきた。例えば、市民に向けた万博関連情報の周知徹底、市民調査隊を発足させ、立ち遅れている点を指摘・改善するなどの取り組みのほか、市民の文化的生活をより豊かにすることを目的に、エンターテインメント・イベントも開催した。こうした活動の推進は、上海市民のホスト意識を喚起し、市民が地元・上海と万博に対して、より強いアイデンティティと参加意識を抱くことにつながった。同時に、万博というプラットフォームを通じ、中国国民の精神文化的な部分を、より良い形で世界にアピールすることを主旨としている。そのため、万博会期中は開幕式や閉会式、各国パビリオンデーのイベントのほか、残りの184日間も、のべ2万ステージに上る各種コンサートやイベントの開催を予定しており、来場者と市民により豊かな文化生活を提供するとともに、上海文化の特色および万博のヒューマニズムをアピールしていく。

万博における経済と産業面の開発については、これまでの経験からみて、万博の開催は、コンベンション、観光、商業、その他サービス業を含む関連産業の大幅成長はもとより、新興産業の成長および産業構造の改善をも促してきた。例えば1970年、日本は大阪万博を契機に、産業、経済、文化、芸術等各分野で「関西の一体化」を試み、関西地区の産業に「分散型成長」という構造を打ち立てた。上海もこうした成功例を学びつつ、既存の産業を調整し、各区・県のサービス、アイディア、コンベンションの各産業への支援を増強、万博関連グッズの開発と発売も強化している。

そのほか観光業の面でも、上海では既存観光リソースの修繕・建設を行うとともに、近郊省・市と協力して産業発展の原動力となるようその最大化に努めている。例えば、蘇州と無錫地区では既に、一枚の共通カードで交通機関を利用できるシステム「一通」を導入しており、カード所持者は自由に公共交通機関の乗り換えが可能となった。また蘇州地区では、「万博は上海、観光は蘇州へ」計画を始動し、上海で開催される一部フォーラムに協賛し、地方色豊かな昆曲、評弾(ピンタン)、水郷民族衣装等のパフォーマンスを万博エリアで披露する計画だという。

万博は本来、文化の祭典であるが、一見すると、新しい技術や製品を披露する場であるかのようにみえる。しかし、こうした技術や製品の背景には、新しい理念、新しい文化、そして新しいライフスタイルの提案がある。万博の開催は、チャレンジであると同時に、新たなチャンスももたらす。特に、昨今の金融危機にあって、万博に内在する経済の原動力は、中国のみならず世界が注目する大変大きなトピックだといえる。そのため、2010年万博を、革新技術を大々的にアピールする窓口としてつくり上げ、いかにして次世代経済サイクルの駆動力となる一大プラットフォームにするか、これが、上海が今後一年間で取り組むべき課題となるだろう。

上海にある、世界的にも知られた中国を代表する有名大学。創立100年を迎えた。旦大学新聞学院(新聞学部)も、専門分野で最も長い歴史を持ち、国内外に知名度は極めて高い。新聞学院は、ニュース・コミュニケーション領域で著名な専門家、学者を輩出し、国務院新聞弁公室の省・部レベルのニュース評価システムをはじめて制作した。中国のPRの重要な課題を担当する。現在PR関連の教育研究分野では、中国の最先端の高等機関であり、PR関連の人材育成、国家と地域イメージの研究、政府スポークスマンの研究と養成、危機公共関連の研究など、社会的な影響力は大変高い。

当研究センター(主任 孟建教授)は、旦大学新聞学院と中国国際公共関係協会が協力し、それぞれの優位性を提供することで設立したPR分野の学術的組織。中国の一流大学や重要な社会とも緊密に連携し、新たな理論を研究、実施する。

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