うたかた思考

牧口 征弘

牧口 征弘
(代表取締役社長執行役員)

日々浮かんでは消えていく思いや考え。仕事の糧になるものもあれば、そうでないものも。
どう活かすかは自分次第なのかもしれません。

制約はクリエイティビティの温床

印刷

SHARE

  • Facebook
  • Twitter
  • Tumblr
  • Linked In
  • Mail

Blog

少し前の話になりますが、わが愛するテレビ番組「タモリ倶楽部」が、ギャラクシー賞を受賞しました。ギャラクシー賞といえば、NPO法人放送批評懇談会が主催する大変権威のある賞。その賞を、テレビ界の横道、脇道、裏路地、袋小路を極め尽くすような「タモリ倶楽部」が頂戴したのです。番組ファンならずとも、驚きのニュースでした。

さて、その受賞対象となった回の番組内容です。ご存じない方のためにも、少々説明いたします。

6月26日と7月3日の2週にわたって放送されたそのタイトルは、「ストリートビューでオンライン撮り鉄! 偶然鉄道フォトコンテスト」。何のことだか、分かるようで分かりませんね。

要するに、おなじみのGoogleストリートビュー上で線路脇を歩き、偶然通りかかった鉄道車両を画面を通してカメラに収める、という鉄分の高い企画です。何が面白いのかサッパリ分かりませんよね。でも、これがすこぶる面白いのです。その証拠の2週にわたる放送です。

タモリさんを筆頭に、市川紗椰さんら「タモリ電車クラブ」の面々も、初めは半信半疑の様子でしたが、実際に車両を発見すると大盛り上がり。関東近郊の在来線から始まり、富士山をバックにした新幹線のベストアングル探し、果ては、東北日本海側の五能線へのチャレンジまで(時間切れで遭遇できず)、鉄分が低い方々にも十二分に楽しめる内容でした。画面に映る太陽光線と時刻表とを照らし合わせて、お目当ての車両を探索する様子には、スリルすら感じました。

この通常時であれば発想すら難しい企画。授賞理由にもある通り、「コロナでどこにも行けない状況を逆手に」とった、クリエイティブな中身でした。「これぞ『タモクラ』のデジタル・トランスフォーメーション!」と言いたいぐらいに。

クリエイティビティは制約があるからこそ発揮される、とはよく言われることです。「グー鉄」が示してくれたのは、まさにこのこと。ついついうつむきがちな、ため息が出がちな毎日が続いていますが、そんなときこそ内なるクリエイティビティの発揮のしどころ。という具合に、発想の転換を図ってみるのもいいかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。