うたかた思考

牧口 征弘

牧口 征弘
(代表取締役社長執行役員)

日々浮かんでは消えていく思いや考え。仕事の糧になるものもあれば、そうでないものも。
どう活かすかは自分次第なのかもしれません。

不屈の精神

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 裸足の王者アベベがパラアスリートでもあることを、最近まで知りませんでした。1960年ローマ・オリンピックと1964年東京オリンピックにおいて、男子マラソン2連覇という偉業を成し遂げた男のその後の生涯は、波乱そのものでした。

 1968年のメキシコシティー・オリンピックでは、当然のように3連覇を期待されるものの、故障による途中棄権。翌1969年には、自動車事故の結果、車椅子での生活を余儀なくされるようになります。

 走ることで世界の頂点を極めた人物が、歩くことすらできなくなる。何という悲運、何という理不尽でしょう。しかし、リハビリを続ける中で、今で言うパラスポーツに出会い、アーチェリー、卓球、犬ぞりレースと活躍の場を広げていったのです。

 これが自分の身に起こったと想定してみて、ここまでの不屈の精神を発揮できるか、全く自信がありません。きっと、心がへし折られ、ぐれたりすねたり、他人のせいにしたり、運命を呪ってみたり、後ろ向きなことでしか反応できないと思います。

 そこが凡人と偉人の違いです。そもそも、だからこそ極限に達することができるのだと、何も成し遂げたことのない我が身からは、ため息しか出ません。

 それでも、彼の姿に学ぶことはあるはずです。苦難に遭っても決して諦めず、自分のできることに集中して、より高みを目指す。アスリートたちが人の心を動かす原点が、ここにあります。あと1000分の1秒、あと1mm、あと1ポイント。この神々しき執念が、日々の私たちの生活に計り知れないエネルギーを与えてくれるのです。

 少々盛り上がり過ぎて大げさな表現になりましたが、今年の今このタイミングで、私たちがスポーツ観戦に飢える理由が分かるような気がします。

 さて、我らビジネスのアスリートが、ここからどんな反骨精神で、どこを目指して歩みを進めていくのか。それは、一人一人の日々の絶え間ない精進からしか始まらないと思います。この点ばかりは、トップアスリートたちと共有する基本中の基本です。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。