うたかた思考

牧口 征弘

牧口 征弘
(代表取締役社長執行役員)

日々浮かんでは消えていく思いや考え。仕事の糧になるものもあれば、そうでないものも。
どう活かすかは自分次第なのかもしれません。

光差す場所

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 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、年末年始の恒例行事といえば、その一つとして大掃除が挙げられるでしょう。我が家も例外ではなく、年を越すに当たり大量のものを整理しました。元はと言えば、自分が望んで入手したもの。日常の生活必需品もあれば、嗜好品もあり。いずれも、自身の選択の結果です。

 そういったものが家庭内でまとめられ、ゴミとして集積されていくのです。集合住宅の場合は、まずは敷地内の集積所へ。しかもこの時期、普段の想定を超えた集積量です。本来収まるべきところに収まり切れず、床面まで占拠している風景に見覚えがある方も多いはずです。

 はてさて、公共心って何だろう? 大盛況の現場を目の当たりにして、こう思うのです。自戒の念も込めて。特に、賃貸物件の場合、高いレベルで公共心を保つのは難しいみたいです。

 そんな思いを抱きつつ、その先の粗大ゴミ置き場へ(新年早々こんな話ばかりで、本当に申し訳ありません)。

 案の定、こちらも盛り上がっています。しかも、当然貼るべき粗大ゴミの処理券もなく、ただ放置してあるものも散見されます。引っ越しと同時に、そのまま放棄ということでしょうか。何だか荒れ放題です。

 というモヤモヤした気分とともに、我が家の粗大ゴミも仲間に入れてもらいます(当然、処理券を貼った上で)。すると、視界の端に一つの大きな家具に貼られた白い張り紙が入ってきました。どうせ、処理券を貼っていない人に対する物件管理者からの注意書きだろうと思いきや、そこには意外な内容が書かれていました。ある住民の手によって。

 「回収業者の方々へ 今年は大変な一年でしたね。一年間、本当にお世話になりました。心から御礼申し上げます。ありがとうございました。来年もまたよろしくお願いします。」

 薄暗く寒々しい場所で一人、何度も読み返してしまいました。こんな美しい振る舞い、なかなかできるものではありません。一気に光が差し込んだような気分になりました。

 年は改まっても、世の中は難しい状況から抜け出せないでいます。こんな時だからこそ、他者への感謝の念、姿が見える見えないにかかわらず、力を尽くしている人たちへの敬意、そういったことを忘れてはいけないと、改めて心に刻まされた出来事でした。

 皆様にとって、良い時間に満ちた一年になりますように。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。