うたかた思考

牧口 征弘

牧口 征弘
(代表取締役社長執行役員)

日々浮かんでは消えていく思いや考え。仕事の糧になるものもあれば、そうでないものも。
どう活かすかは自分次第なのかもしれません。

技の競い合い

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 第99回全国高校サッカー選手権大会。久しぶりに集中してテレビ観戦してみて、大層驚きました。今の高校生のサッカーは、このレベルまで来ているのかと。普通に見ていて楽しめる、プロサッカーのエンターテインメント性も充分に備えているではないかと。

 思い起こせば15年前。滋賀県代表の野洲高校が、「セクシーフットボール」を引っ提げて全国制覇をした年。私自身、先代の国立競技場まで、その「セクシー」ぶりを観に行きました。決勝戦で対する相手は鹿児島実業高校。一時代を築いた超名門校です。

 鹿実の直線的で力強いサッカーを、野洲のスペクタクルサッカーが翻弄(ほんろう)する。試合展開はそんな感じでした。後に日本代表にも選ばれる乾貴士選手も、その華麗なるサッカーを実現したメンバーの一人でした。この試合は有料に値する。下世話な話ですが、当時そう思いました。

 そして今回。決勝戦に至るまでの試合にも、見応えのある試合がたくさんありました。と同時に、普段とはちょっと異なるところで、いくつか議論がなされていました。

 そのうちの一つ。ロングスローいかがなものか問題。足を使ってやるのが基本のフットボールなのに、手であんな長い距離投げてしまうのは何か納得がいかない、というもの。賛否両面から、いろんな意見が飛び交っていました。

 個人的には、全く構わないと思います。理由は明快です。ルール内のことだからです。競技規則で認められている範囲内で、文字通り持てる技を競っているのですから、あれこれ指摘される筋合いがそもそもありません。攻めるも守るも、技を磨けばいいだけの話です。

 PKによる勝敗決定についてもそうです。もちろん、力の限りを尽くして、その果てがPK合戦という切なさはあります。しかし、それもルール内での出来事。さらに、PKにおける対決にも純然たる技の競い合いがあるわけですから。

 以前には、「最後がPKって何か他に良い方法あるでしょ!」、と思った時期もありました。でも、今は違います。数々のPK対決を観てきて、そこにも攻防の技は存在するし、決して偶然だけに頼っているものではない、と分かったからです。

 今回のあるPKにも、キッカーがモーションに入った直後に、「あ、これは止められるな」と直感したものがありました。理由を強いて挙げるとすれば、キーパー側の間合いをつかむうまさです。もしくは、キッカーが不用意に間合いを渡してしまったのかもしれません。

一対一の対決の場合、どちらかに呼吸のペース、もしくは間合いの主導権が移った瞬間に、勝負あったと思える場合があります。それが、ほんのわずかな差であっても。これはむしろ、武道的な発想になるかもしれません。

 このあたりの人知を超えたPKの神秘について、伝説のPK大鬼神である川口能活さんの見解を賜ってみたいものです。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。