うたかた思考

牧口 征弘

牧口 征弘
(代表取締役社長執行役員)

日々浮かんでは消えていく思いや考え。仕事の糧になるものもあれば、そうでないものも。
どう活かすかは自分次第なのかもしれません。

食の力

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 少し前に、「麺鉄」なるテレビ番組を見ました。「麺」と「鉄」です。「乗り鉄」や「撮り鉄」というジャンルはありますが、「麺鉄」です。食事を供する鉄道を「食べ鉄」とくくることもありますが、その一種になるかもしれません。

 厳密に言うと、この番組では乗車中に食事をするわけではなく、鉄道を利用して麺を食べに行く、ということですから、「食べ鉄」には当たりませんでした(前置きが長くて済みません)。

 さて、番組です。出演者は六角精児さんと市川紗椰さん。いずれも、知る人ぞ知る(というか、かなり有名な)高段位の鉄道マニア。それぞれが単独で「麺鉄」の旅に向かいます。六角さんは、他局で「呑み鉄」というジャンルを窮めていらっしゃるので、ネタ的に大丈夫かなと思いつつ。言うまでもありませんが、「呑み鉄」とは、酒と鉄道のコンビネーションです。

 私が観たのは、市川さんが九州の麺を鉄で攻める回。中でも、JR鳥栖駅6番ホームにある中央軒さんの「かしわうどん」。鶏肉と青ネギがのったシンプルな立ち食いうどんです。サガン鳥栖のホームスタジアムである「駅前不動産スタジアム」を眺めながら食べられるのも、個人的にはツボです。

 観ていてちょっと不思議な感じがしたのは、一口食べた後の「あー、おいしい」とか、「この鶏のおだしがたまらない」とかいった、いわゆる食レポコメントが一切無い点。ひたすら黙々と麺をすすり、カメラに向かって激しくうなずく、という画が続きます。黙食というやつですね。

 そして、コメントは食後にまとめてマスク越しに。この時代の番組作りの苦労がうかがえます。それでも、食番組としてのエッセンスは生きています。その証拠に、この原稿を書いている最中ですら、おなかがすいてきますから。今すぐ、鳥栖駅に飛んで行きたいぐらいに。

 いつ何時でも、おいしいものを食べて、空腹を幸福に変えて、また頑張ろうという気持ちを起こす。単純ですが最強の知恵かもしれません。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。