NEXT ONE

太田 浩嗣

太田 浩嗣
(取締役専務執行役員)

日々新しいソリューションが生まれるマーケティングPRのダイナミズムを共有できればと思います。日々生涯最高のソリューションを!共に悩み、新しい価値創造にお付き合いください。

PRコンサルタントの視点

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 1961年の創業から、当社はこの9月20日で60周年を迎えます。創業時は日本では、PRという概念が、まだまだ認識される以前のことで、広告活動の一手法のように捉えられ、PR=パブリシティという解釈から、PRをpropagandaと誤訳する書物もあったようです。

 もちろん、PRはPublic Relationsのことであることは、今では多くの方々が理解していることだと思います。企業や団体は社会との良き関係を築くために、適切な広聴・広報活動による双方向のコミュニケーションを推進しています。しかし、多くのステークホルダーに対して効果的・効率的に情報提供するために、マスメディアの力を借りて情報の受け手に対して発信をしてきました。そのためPRの主たる活動がメディアリレーションに代表されることとなり、今でもPR=パブリシティという認識がついて回ります。

 1996年に、社名を「電通PRセンター」から「電通パブリックリレーションズ」と改名したのは、PRの本質を社の内外に知らしめ、社会との良き関係を築くためにメディアリレーションだけでないコミュニケーション活動に領域を広げるためです。具体的には、企業情報をダイレクトに生活者に届ける活動や投資家・株主、管轄官庁、自治体、地域社会、学生、従業員、KOLなどなど、さまざまな企業を取り巻くステークホルダーに対する全方位のコミュニケーションにより企業価値を高めていく活動に大きくシフトしていきました。インベスターリレーションズ(IR)、ガバメントリレーションズ(GR)、パブリックアフェアーズ(PA)、ソーシャルコミュニケーション、リクルートコミュニケーション、インターナルコミュニケーション、といった専門性の高いコミュニケーションへのチャレンジにより、Public Relationsをより高度化してきました。

 2011年の東日本大震災を機会として、社会との関係性が生活者にも企業にも一層求められるようになりました。一般の生活者がごく当たり前のようにボランティア活動に参加し、小回りの利かないマスメディアに代わり、個人の情報発信が大きな影響を与え、それはSNSという大きなうねりに結びついていきます。社会課題の解決のために企業は何ができるのか、生活者の求めている課題解決は何か。企業が自社の経済活動に社会課題の解決を結びつけることが急務となり始めたころ、当社内に「企業広報戦略研究所」を立ち上げ、企業の経営広報マインドやリスク意識、生活者から見た企業の魅力などをデータ化し、世の中のESG、SDGsの機運にいち早く着目し、企業と社会課題解決の関係性を重視したコミュニケーション活動を推進してきました。PRパーソンは、もはやPR活動の実行者であるだけでなく、社会を俯瞰(ふかん)し世の中の共感意識を敏感に察知し、企業価値向上のために企業を取り巻くレピュテーション(評判)マネジメントを推進できるコンサルタントとしての視点が不可欠になっています。

 コロナ禍において、企業の存在価値は何かを考えさせられる機会が激増し、企業市民として、そして経済活動推進者として、企業の理念・パーパスに立ち返り、社会とのより良い関係性、従業員との新しい信頼関係を構築するために企業活動をしていかなければならない、まさにPublic Relationsの時代に突入しました。明日への不安の中で、従業員の新しい働き方、コミュニケーションの在り方が見直され、社会課題解決に向けてはSDGsが格好のテーマとなっています。「PRコンサルタント」は、今を感じながら次の社会課題、世の中の関心事にアンテナを張り巡らせる広い視野と公平な思考と、そして何よりも企業活動と社会課題解決の接点を見極める「NEXT ONE」の視点が最も求められるのではないでしょうか。

 2021年9月20日、創業60周年を機に、社名を「電通PRコンサルティング」(英語名:PR Consulting Dentsu Inc.)と改めます。新社名が示す通り、高い専門性と高品質なPRコンサルタントの視点をもって、我々の活動領域を制限することなく、さらに皆さまのお役に立ちながら社会課題解決のイノベーションに貢献していく所存です。

 引き続き、ご指導のほどお願いいたします。