企業広報戦略研究所 C.S.I Corporate communication Strategic studies Institute

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全国生活者1万500人を対象とした 『2019年度 ESG/SDGsに関する意識調査』

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企業広報戦略研究所(所長:三浦健太郎、所在地:東京都港区、株式会社電通パブリックリレーションズ内)は、本年6月末、全国1万500人を対象とした『ESG※1 /SDGs※2に関する意識調査』を実施しました。
2019年は「SDGs経営ガイド(経済産業省)」が取りまとめられるなど、企業のESGやSDGsに対する取り組みへの注目が高まっています。そのような中、生活者の意識がどのように変わっているのかを明らかにするため、ESG/SDGsの認知、生活者の関心が高い取り組み、企業に期待する取り組みなどを調査・分析しています。

<結果概要ポイント>


※1 「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの。
※2 「SDGs」とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際目標。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成される。

1.世の中のESG/SDGsの認知は伸長している
▶ ESGの認知率は3.3pt上昇、SDGsの認知率は5.9pt上昇

一般生活者のESGの認知は「知っている」(「詳しく知っている」「聞いたことはある」計)が18.3%と昨年15.0%よりも3.3ポイントわずかに伸長しました。同様に、SDGs認知率も「知っている」が24.2%と昨年15.7% より8.5ポイント伸長しました。
2019年は、5月に「SDGs経営ガイド」が取りまとめられ、6月にはG20 もあり、ESG/SDGsに関する記事件数も急増しました(2019年1~6月:286件/2018年1~6月:128件※ ELNET調べ )。そうした中、ESGやSDGsに関する情報に触れる機会が増え、認知が高まってきていると考えられます。

▶ミレニアル世代の男性の認知率が高い

ESG/SDGsの認知率を性・年代別で見ると、20、30代の男性における認知率が高いことがわかりました。 ESG とSDGsを「詳しく知っている」と回答したのは、全体でESG4.2%、SDGs7.1%であったのに対し、〈20代男性〉はESG8.8%、SDGs15.6% 、〈30代男性〉はESG8.9%、SDGs12.4%と倍近くになりました。また、「聞いたことはある」と回答したのは、全体がESG14.1%、SDGs17.1%であったのに対し、〈20代男性〉はESG20.4%、SDGs24.6% 、〈30代男性〉はESG19.8%、SDGs23.3 %とこちらも高くなりました。情報に敏感なミレニアル世代*の男性からの認知率が高いことが分かりました。

*1980年代から1996年に生まれた人々。10代のころから、恵まれた情報通信や急速に普及したデジタル機器の恩恵を受け育った世代 (Pew Research Center 2014)

 

2.ESGに関する企業の取り組みは投資に影響を及ぼす可能性大

▶生活者の6割以上が投資にESGを考慮すると回答

投資を考える際、企業のESGに対する取り組みをどの程度考慮するか、という質問に対して、「とても考慮する」(17.8%)、「少し考慮する」(44.3%)で、6割以上(62.1%)がESGを“考慮する”と回答しました。
昨今、機関投資家の間ではESG投資への注目が高まりつつありますが、一般生活者の間でもその関心の高さがうかがえる結果となりました。

 

▶魅力を感じるESGの項目1位は「働き方改革」
一般生活者が魅力を感じるESGの項目について聞いたところ、昨年と同様の傾向でした。
1位は、「働きやすい職場環境づくり」(昨年42.6%→本年46.3%)」で、昨年比3.7ポイント増加と、最もスコアが伸びました。働き方改革への関心が継続して高いことが分かりました。次いで「エネルギー効率化」(同41.4%→ 40.9%)、3位は「多様性、透明性の高い経営」(同26.8%→ 27.9%)」でした。

 

 

3.生活者は企業に対して身近な社会課題への取り組みを期待

▶SDGsの達成目標のうち「すべての人に健康と福祉を」が2年連続1位

企業に取り組んでほしいSDGsの項目を聞いた結果、1位は昨年と同様「すべての人に健康と福祉を」(20.9%)でした。次いで、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」(20.6%)、「働きがいも経済成長も」(15.5%)という結果になりました。
生活者は企業に対して、身近な課題への取り組みを期待していることがうかがえます。

▶生活者が「関心のある取り組み」と「企業に期待する取り組み」は共に1位が「食品ロス削減」

SDGsのテーマに関して、具体的にどのような取り組みに関心があるか、また、企業にどのような取り組みを期待するかを聞きました。
「関心のある」「企業に期待する」の上位4項目はいずれも、1位「食品ロス削減」(関心のある34.9%/企業に期待する30.4%)、2位「太陽光発電などの再生可能エネルギー技術の開発利用」(同33.0%/30.1%)、3位「海洋プラスチックごみ対策」(同31.4%/29.8%)、4位「フードバンク」(同26.9%/22.2%)となりました。
このことから、生活者は企業に対して、自身の関心がある社会課題について取り組んでほしい、と考えていることが分かりました。

▶SDGs企業の取り組みに関する認知経路「番組や記事」が約3割

SDGsに関わる具体的な企業の取り組みを想起できた人(n=4,609)に対し、何を通じてその情報を入手したかを聞きました。その結果、最も多いのは「番組や記事(新聞やテレビ、ウェブニュース、雑誌など)」(30.1%)、次いで「商品・サービスを直接体験して」(23.0%)、「企業が直接発信する情報」(20.4%)でした。
性・年代別に見ると、「番組や記事(新聞やテレビ、ウェブニュース、雑誌など)」は60代男性(38.3%)と50、60代女性(37.8%/38.2%)で高く、20代女性(20.5%)で最も低く、20代男性(22.3% )と30代男性( 24.8% )でも低い傾向でした。
一方、「商品・サービスを直接体験して」は30代男性(31.6%)で最も高く、次いで20代男性(28.1%)でした。ミレニアル世代の男性はリアルな場やコンテンツから情報を得ていることが分かりました。

▶企業のSDGsへの取り組みは生活者の購買行動を促進

生活者の中で、SDGsに関わる企業の取り組みを想起できた人(n=4,609)に対し、企業の取り組みを知って、どのような行動をとったかを聞いたところ、「当てはまるものはない」(32.1%)を除く7割近く(67.9%)がその企業に対して何らかの行動をとったことが分かりました。
その具体的な内容をみると、最も多いのは「その企業や、商品・サービスのウェブサイトを閲覧するようになった」(25.2%)で、次いで「その企業の商品・サービスを購入または利用した」(21.3%)が2割を超える結果となりました。
つまり、企業の取り組みを想起できた人のうち約4人に1人が企業や商品・サービスのウェブを閲覧し、約5人に1人がその企業の商品・サービスを購入または利用していることになります。さらに、生活者全体(n=10,500)でみても、約10人に1人が、企業や商品・サービスのウェブの閲覧、または企業の商品・サービスを購入・利用しているということになります。このことから、企業のSDGsへの取り組みは、生活者の購買行動を促進することにつながる、といえそうです。

 

 

調査概要

調査対象:全国の20~69歳の男女 計10,500人
調査方法、期間:インターネット調査:2019年6月26日~7月2日
設問内容:ESG/SDGsの認知の有無、企業に期待するSDGsの取り組み、投資に対するESGを考慮する度合など

 

企業広報戦略研究所とは (Corporate communication Strategic studies Institute : 略称C.S.I.)

企業経営や広報の専門家(大学教授・研究者など)と連携して、企業の広報戦略・体制などについて
調査・分析・研究を行う、(株)電通パブリックリレーションズ内の研究組織です。
2013年12月設立。所長:三浦健太郎。
企業広報戦略研究所サイト http://www.dentsu-pr.co.jp/csi/